出前館創業者 花蜜幸伸氏の講演会開催!!川西市で伝えた「やり遂げる力」とは?

去る7月12日、出前館創業者の花蜜 幸伸さんをお招きして「やる遂げる力」の表題で講演会をしていただきました。

主催はわれら川西市商工会青年部の研修・研究員会です。

今回はその講演会の様子と内容を、少しだけお伝えします!

講師:花蜜幸伸氏について

和歌山県海南市生まれ。正社員経験もなく21歳でバイク便事業を起業。1999年にインターネットの普及に伴い、衰退必至のバイク便事業に見切りをつけ、「夢の街創造委員会株式会社」(現 株式会社出前館)を創業する。

現在は犬猫の殺処分ゼロの実現を目指す世界最大級の保護施設「ペットの里」と、世界平和実現を目指した「ピース乾杯プロジェクト」の2つの事業を推進している。

やり遂げる力とは、あきらめないこと

花蜜さんのお話は、ご自身の生まれ育った環境から始まり、最初のビジネスのお話へ…。

もともとバイク便事業をされていた花蜜さんは、1999年ごろのインターネットの普及で、当時運んでいた荷物のメインである書類が電子メールで送付できるようになったことで今後仕事が激減するのではないかと気が付きます。

「何か手を打たなくては…」

そう考えていた花蜜さんが出前館のビジネスモデルのヒントとして出会ったのは、なんと映画!

以前見た映画にあった、インターネットでピザを注文するそのシーンを思い出して「これだ!」と思い立ったのがきっかけだったそうです。

しかも驚くべきは、まだそのビジネスモデルを誰も実現していなかったこと!

Uber Eatsが登場するのは、花蜜さんが出前館事業を動かし出した約15年後のお話。

未知のビジネスゆえに資本や加盟店を集めるのに苦労されましたが、あの手この手で友人や知人にお金を借りたり加盟店を増やしたりすることに成功。夢の街創造委員会株式会社(現 株式会社出前館)を創業したのでした。

株価暴落と刑事罰

2000年には20店舗であった出前館は話題を呼び、翌年には約2200店舗にまで拡大し、事業は大成功。

一時は出前館の経営から完全に離れていた花蜜さんですが、ひょんなことから特別顧問として出前館の経営陣として復帰します。

その際に感じたのは、経営陣と対等に話ができる立場になる必要があるということ。

花蜜さんは、株主として当時の社長と対等になるよう、出前館の株を買い集めます。

しかし、その後手持ちの資金が尽きてしまい一文無しに。

それと同時に待ち受けていたのは歴史的な株価の大暴落でした。

結果的に残ったのは10億円の借金だけ。家も失い、住所不定無職となってしまいます。

さらに、株の買い方に問題があったとして証券取引等監視委員会が株価操縦の金融商取引法違反で捜査を開始。

在宅起訴とはなったものの、東京地検特捜部による捜査と刑事裁判も確定し、絶望の淵に追いやられます

そんな時に「出世払いでいいから」と弁護を引き受けてくださった弁護士と出会った花蜜さん。

弁護団を結成して無罪を主張するものの、最終的には敗北し、懲役3年・執行猶予4年および罰金2,000万円と追徴金約1億3000万円を背負うことになってしまいます。

「罰金支援クラウドファンディング」という形で罰金の支払いは期日通りにできたものの、追徴金に関しては月1万円ずつ、年数に直して1000年以上の長期にわたって返済する形で裁判は終結したのでした。

講演中は半ば笑い話にされていましたが、現在も追徴金の支払いはされているとのことです。

このような状況であれば「サラリーマンででもコツコツ働こう…」と考えるのが普通の経営者の心情かもしれません。

しかし、花蜜さんは取り調べが行われている最中から、新たなビジネスを検討していたのです!

ペットの里とピース乾杯プロジェクト

現在、花蜜さんは岩手県にある広大な敷地で「ペットの里」の運営に携わっています。

世界最大級の犬猫保護施設であり、日々多くの問い合わせが来ているそうです。

中でも高齢者や遺族からの問い合わせは多く「面倒が見れないから引き取ってほしい」という電話が1日に10件単位でかかってくるそうです。

だからといって、無尽蔵に受けられるほどペットの里のキャパシティや費用面に余裕があるわけではありません。

しかし、すべてを受け入れることはできないが殺処分は避けたい花蜜さんは、生命保険の方と話し合いを始めました。

そこで考案されたのが「ペット信託」

元飼い主に費用を信託という形で残してもらえれば、施設としても費用面の問題を気にせずに受け入れができるのではないかと考えたのです。

また、この仕組みを用いて「高齢者にペットを飼ってもらおう」というアイデアも出てきたとのこと。

海外の研究結果をもとに、高齢者がペットを飼うことの意味を訴え、医療費や介護費の削減はもちろん、ペットの殺処分数も減るのではないかと考え活動されています。

もうひとつが「ピース乾杯プロジェクト」。

長期にわたる取り調べで精神的にボロボロだった花蜜さんは、ふと世界平和について考え始めます

そこから「なぜ世界平和の第一歩が踏み込めていないのか」を考えた結果、食糧難や教育などの問題はお金が解決してくれるのではないかという結論に至ります。

ほぼ同時期にSDGsの考え方にも出会い、飲料メーカーや居酒屋を巻き込んだ「ピース乾杯プロジェクト」が始動したのです。

飲料メーカーや居酒屋に協力してもらい、寄付を集めて世界平和の実現を目指す。

それが花蜜さんがいま力を入れているプロジェクトなのです。

実際、講演会後に行われた交流会では乾杯の掛け声を「ピース」で実施。

会場がひとつになった瞬間でもありました!

講演でしかお話されていない内容もあるかとは思いますが、お話の詳細は花蜜さんの著書『僕は夢のような街をみんなで創ると決め、世界初の出前サイト「出前館」を起業した。』に詳細に書かれています。

花蜜さんのお仕事の詳細を知りたい方はぜひ手に取っていただきたい1冊です!

講演会開催の御礼に代えて

今回、岩手県からお越しいただいた花蜜さん。

われわれ川西市商工会青年部としても「大々的なイベントにしよう!」ということで、研修・研究委員会を中心に準備してきました。

その結果、当日は80名近い方々に参加していただき、青年部としても大きなイベントを開催できたと一同安堵しておりました。

広報にご協力をいただいた皆さま、お誘いあわせの上ご参加いただいた方々には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

不慣れゆえにご迷惑をおかけした点も多々あるかとは思いますが、今後の講演会開催の参考とさせていただきます。

そして、遠くからお越しいただき講演をしてくださった花蜜さん、本当にありがとうございました!

川西の商人(あきんど)も、花蜜さんのような「やり遂げる力」が大切であることを実感できたことと思います。

今後のご活躍と事業の成功を、心よりお祈り申し上げます。

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